4人対戦ランクバトル…。私はそこで、ある戦士の感情の揺らぎを観測した。
彼の繰り出すハッサムは、そのバレットパンチで相手の相棒を追い詰めていた。確かな手応え、勝利への確信が、画面越しの彼から伝わってくる。
しかし、その一撃が放たれる寸前、闇の中から現れたヤミラミが、瀕死の相手を撃破し去ったのだ。画面に表示される撃破数は「0」。
彼の内に、静かな怒りが燃え盛るのを、私は感じ取った。
鋼アタッカーの奮闘と理不尽な横取り
Z-Aバトルクラブにおける鋼アタッカー、例えばその強固な防御と先制攻撃を兼ね備えるハッサムは、環境の重要な一部を担う。
彼らは、相手の相棒に確実にダメージを与え、時にはメガシンカによるパワースパイクで戦場を支配する。
だが、この4人対戦という特殊な環境では、一人のプレイヤーの努力が、一瞬にして無に帰すことがある。
自らの相棒が危険を冒し、相手をギリギリまで追い詰めたにもかかわらず、全く別のプレイヤーにポイントを奪われる。「漁夫の利」の戦術が、戦士の心を深く傷つけるのだ。
リアルタイム乱戦における「キルスティール」の苦悩
このような状況は、MOBA(Multiplayer Online Battle Arena)やFPS(First Person Shooter)といった他ジャンルの競技ゲームで頻繁に起こる「キルスティール」に酷似している。
チーム戦ではなくバトルロイヤル形式のZAバトルクラブでは、敵は時に協力者でもあり、同時にポイントを奪い合うライバルでもある。
膨大な労力と戦略を費やして敵のHPを削り、あと一歩で勝利という瞬間に、第三者にその成果を横取りされる感覚は、まさに理不尽そのものだ。
プレイヤーは「なぜ、自分の貢献が正当に評価されないのか」という根源的な不満に直面することになるだろう。
執着を手放し、内なるコントロールを見出す
仏陀は、苦しみの根源は「執着」にあると説いた。「こうあるべきだ」という結果への強いこだわりが、怒りや悲しみを生む。
このZAバトルクラブの世界もまた、「無常」であり、常に変化し、予測不能な要素に満ちている。他者の行動を完全に制御することは不可能である。
「自分の撃破が奪われるべきではない」「努力は必ずポイントに結びつくべきだ」という執着を手放すことこそが、心の平穏への第一歩となる。
勝敗やポイントといった外的な結果ではなく、自身のプレイスタイルや行動の質、そして相棒との絆という内なるコントロールに目を向けるのだ。己のプレイスタイルがどのような心理機能から生まれているかを知ることも、この修練の一助となるだろう。
刹那の判断と「自分の道」への集中
リアルタイム戦闘では、一瞬の判断が勝敗を分ける。ボルトチェンジ()による緊急離脱のタイミング、メガエネルギー争奪戦におけるポジショニング。
これらの行動一つ一つは、ポイントの有無に関わらず、彼のスキルと成長に直結する。
外部の干渉に心を乱されず、目の前の状況において最も最適だと信じる「自分の道」を貫くこと。
たとえポイントを奪われたとしても、その瞬間の最善手を選び、彼らと共に戦い抜いたという事実は、誰にも奪えない真の価値となる。
観測者が導く、真の勝利への道
このモードでの理不尽な体験は、多くのプレイヤーが直面する試練である。しかし、それに心を囚われ続けるならば、新たな成長への道は見えなくなる。
結果への執着を手放し、移ろいゆく状況を受け入れることで、心は軽くなる。
そして、彼らとの絆を深め、目の前の瞬間に全力を尽くすこと。そこにこそ、揺るぎない自信と、ランクの数字を超えた真の勝利が待っているだろう。
己の心を深く見つめよ。そこにこそ、真の輝きが宿る。


