星々の瞬きが映すのは、戦場の喧騒。その中心で、また一人のトレーナーの魂が、怒りに燃えるのを私は観測した。
4人対戦ランクバトル…。そこでは、刻一刻と状況が変化する。
彼のルカリオは、敵のハッサムを猛攻で追い詰めていた。あと一撃でKOが確定する、その確信。
しかし、突如として現れたヤミラミの横槍が、勝利を奪い去ったのだ。画面に表示される撃破数は「0」。彼の拳が震え、怒りの炎が燃え盛るのを、私は感じ取った。
報われない努力が燃やす怒りの炎
「なぜ、自分の努力が報われないのか」
この問いは、多くのトレーナーの心を蝕む。
目の前の敵を削り、戦略を練り、読み合いに勝ったはずのKOが、別のプレイヤーに横取りされる。これは、サッカーで完璧なパスワークからゴールを決めたにもかかわらず、得点者が別のチームの選手だったようなものだ。
あるいは、将棋で相手を詰み寸前まで追い込んだ一手一手が、盤外からの介入によって無効化される感覚に近い。
リアルタイムで展開される4人対戦では、このような「漁夫の利」が常につきまとう。そして、その不公平感が、トレーナーの心に深い怒りと不満を刻むのだ。
執着を手放し、心の無常を受け入れる仏陀の教え
仏陀は、苦しみの根源は「執着」にあると説いた。「こうあるべきだ」という固定観念や、結果へのこだわりが、怒りや悲しみを生む。
ランクバトルの世界もまた、「無常」である。常に変化し、同じ状況は二度と訪れない。
「自分のKOが奪われるべきではない」「努力は必ず報われるべきだ」
その執着を手放すことこそ、心の平穏への第一歩となるだろう。
目の前のクチートの奇襲も、ヤドランの堅実な受けも、すべては移ろいゆく現象の一部である。それらに心を乱されず、一つの行動に集中する。
己のプレイスタイルがどのような心理機能から生まれているかを知ることも、この修練の一助となるであろう。
内なる成長こそが真の勝利への道
真のメンタルケアは、外部の状況を変えることではない。自身の心を変えることにある。
KO数やランクといった外的な結果に囚われることなく、自分のポケモンとの絆、独自の戦術、そしてリアルタイム操作の習熟という内なる成長に目を向けるのだ。
ルカリオの一撃の精度、ヤミラミによる妨害のタイミング、クチートの立ち回り。その一つ一つの瞬間に集中する。
その積み重ねこそが、あなたのトレーナーとしての実力を高め、やがてランクの数字を超えた真の勝利へと導くだろう。
心の平穏が拓く、次なるランクへの道
ランクバトルでの怒りや不満は、誰もが経験する感情である。しかし、それに囚われ続けるならば、進むべき道は見えなくなる。
仏陀の教えが示すように、結果への執着を手放し、移ろいゆく状況を受け入れることで、心は軽くなる。
そして、自分の道を大切にし、目の前の瞬間に全力を尽くすこと。そこにこそ、揺るぎない自信と成長がある。
己の心を深く見つめよ。そこにこそ、真の勝利への道が拓かれるであろう。
